看護学生

日々の記録(行動計画・ワークシート)の書き方-学生指導のプロが徹底解説します-

臨地実習でまず初めに書く看護記録と言えば「日々の記録」

患者選択したら患者目標や学生目標を書きますよね。

看護学校(大学・専門)によって呼び方は様々ですが、「日々の記録」「ワークシート」「行動計画実施書」などの名前がついた実習で毎日記録する用紙です。

前日の夜に時間をかけて目標や行動計画を書いたのに、教員と臨床指導者から修正を迫られた経験はありませんか?

真剣に考えて書いたことが否定されるのはショックですし、修正の指摘はモチベーションを低下させますよね。

指摘の連続では、実習が楽しくない、実習に行きたくないという気持ちになってしまうのは当然だと思います。

この記事では、私が看護学生を指導した経験から掴んだ、日々の記録の上手な書き方をお伝えします。 書き方をマスターすることで、指導される回数や時間が減少して、自分の考えてきた看護が実習できますよ。

日々の記録の書き方を紹介する前に、皆さんに知ってほしいことがあります。

教員や指導者の立場からすると、行動計画発表時に看護学生の日々の記録(特に目標・行動計画)をみる時間はとても短いです。学生5~6名の目標や行動計画を一気にみますので、この学生はOK、この学生はNGという判断を短時間でしなければなりません。ですから、教員や指導者は確認するポイントを予め決めていて、そこさえ問題なければOKという判断をすることが多いのです。 教員と指導者が確認する“ポイント”に着目して、実習がスムーズにいくために必要な書き方をマスターしましょう。

「日々の記録」の流れ

日々の記録には様々なスタイルがありますが、一般的には次のような項目が含まれていると思います。

  • 患者目標
  • 学生目標
  • ケアに必要な情報
  • 行動計画
  • 結果
  • 評価
  • 目標の達成状況
  • 感想

これらの項目は、下の絵の矢印のような流れがあります。患者目標から始まって最後の感想まで内容がつながっていくことを意識してくださいね。患者目標と関係のないことが、行動計画や結果・評価に多く書かれていると、「この学生はどんな看護を考えているのだろう?」と教員は疑問に思います。ですから、患者目標を決めたら一貫性ある内容の記録を心掛けてください。

患者目標の書き方 ←最重要

日々の記録で一番重要なのが患者目標です。患者目標を制する者は実習を制するってくらい重要だと思ってください。

患者目標を書く時のポイントは5つです。

  1. 患者目標の主語は、患者であることに注意しよう。
  2. 「(患者が)~~~できる」という表現にしよう。
  3. 患者目標は、「患者さんが今日をどのように過ごせたら良いのか」ということを看護の視点で考えて決めよう。
  4. 1つの目標には、1つの内容に限定しよう。
  5. イベントがあれば取り入れよう

よくある失敗例として、「バイタルサインを安楽に受けることができる」や「学生とコミュニケーションをとることができる」があります。

患者さんの立場で考えてみると分かりますが、患者さんにとって今日一番大事なことは、学生のバイタルを安楽に受けることでも、学生とコミュニケーションをとることでもありませんよね。辛い検査や手術を無事に終わることや、リハビリが進むこと、転倒しないこと、痛みが少なく過ごせることの方が患者さんにとって大事です。

例えば、活動により呼吸苦を感じる患者さんであれば、「呼吸苦を感じることなく安楽に過ごすことができる」や「呼吸苦を少なくするための活動調整ができる」というような目標が良いです。

ただ、「呼吸苦を少なくするための活動調整ができ、呼吸苦なく過ごすことができる」という目標だと、「活動調整できる」と「呼吸苦なく過ごすことができる」という2つの内容を同時に1つの目標に入れてしまうことになります。これだと評価が難しくなるので避けた方が良いです。

活動調整はできたけど呼吸苦がある場合や、活動調整できなかったけど呼吸苦なく過ごせたという場合があるので、目標の評価を複雑にしないために、目標はシンプルに1つの内容で表現しましょう。

患者目標は以上の4つのポイントを意識して書けば基本的にはOKです。ですが、もう1つのポイントを抑えて完璧になります。

それは、患者さんに行われるイベントです。例えば、抗がん剤などの治療や、負担の大きい検査などです。初めての抗がん剤治療で緊張が強い患者さんは、不安が少ない状態で治療を受けることが最優先されますよね。皮膚トラブルの問題があったとしても、今日重要なのは抗がん剤治療を不安なく受けられることなのです。ですから、患者スケジュールを確認したうえで、「患者さんが今日をどのように過ごせたら良いのか」を考えるようにしましょう。

ちなみに、実習初日は患者目標はいりませんよ。だって、まだ患者さんのこと何も知らないのに「患者さんが今日をどのように過ごせたら良いのか」なんて超能力者でない限り考えられませんよね。

学生目標の書き方

学生目標は、患者目標を達成するための目標です。

大事なことなのでもう一度言わせてください。

学生目標は、患者目標を達成するための目標です!!

学生目標を書く時は、「患者目標を達成するためにはどんな介入が必要か」を考えてください。それが、学生目標になります。例えば、転倒なく過ごすことができるという患者目標であれば、その転倒を予防する環境整備、歩行時の介助、筋力の強化などが学生の目標になってきます。書き方は、学生を主語にして書きましょう。

学生目標:(学生が)転倒を予防するための環境整備をすることができる。

このように「患者目標を達成するためにはどんな介入が必要か」を考えて学生目標を書けば、患者目標とリンクするので、指摘されることは少なくなりますよ。

もし指摘されるとすれば、環境整備ではどんなことしますか?という質問ぐらいじゃないでしょうか。看護系の人は“具体的”が大好きですので、その準備はしておきましょうね。

ケアに必要な情報の書き方

ケアに必要な情報を記載する欄を日々の記録に設けている看護学校(大学・専門)もあります。ケアに必要な情報って間接的なものを含めればたくさんありますよね。でも、それを全部書くのは大変ですよね。そこで、必ず書いた方が良い内容としては以下の2点があります。

  • 患者目標を評価する際に必要な観察項目
  • ケアする際の注意点

教員と指導者は、看護学生の着目している点が何かを常に気にしています。それは、もし間違った方向へ向かっている場合は早めに軌道修正を書ける必要があるからです。

行動計画発表で「ケアに必要な情報」を伝える時は、「転倒を予防することができるように(患者目標)、裾の長さ、靴の履き方、障害物の有無を確認します。また、片麻痺があるので歩行時は患側に立つようして転倒を予防していこうと思います。」というように、観察項目とケア時の注意点を含めると、学生が考えていることが指導者へ伝わりやすいです。

行動計画の書き方

行動計画は、その日の自分の行動を経時的に書きますよね。書くべき内容を3つのカテゴリーに分けたので、確認して書くようにしてください。行動内容を照らし合わせながら書くので抜けがなくなりますし、見栄えが大幅にアップします。

【絶対に書くべき行動内容】

  • 開始挨拶
  • 行動計画発表
  • カルテ情報収集
  • バイタルサイン測定
  • コミュニケーション
  • 環境整備
  • 食事見学(介助)
  • 報告
  • 終了挨拶

【自分の目標を達成するために必要な行動内容】

  • 患者目標を達成するために必要なケア(清拭、指導、歩行介助など)

【該当した場合に書く行動内容】

  • シーツ交換
  • リハビリ
  • 栄養相談
  • 検査
  • 処置
  • 治療
  • 手術
  • 診察
  • インフォームドコンセント

結果の書き方

結果で重要なのは、行動計画された内容が結果に全て記載されていることです。教員は、学生が行動計画に沿って実施した看護の結果を知りたいので、まず全ての記載があることを確認します。当たり前と思うかもしれませんが、全ての行動計画の結果を書いている学生は少ないです。まずはそこを意識してくださいね。

もう一つ重要なことは、患者さんの反応を加えることです。例えば、清拭を実施したことで清潔な衣服を身につけたことや皮膚の清潔が保たれたことに加えて、「すごくさっぱりしました」などのSデータや、「表情が明るくなり笑顔がみられた」などのOデータを加えるようにしてください。

患者さんの反応があることで、ケアの情景が浮かぶので他者に伝わりやすい記録になります。また、患者さんの反応が評価するときにも役立ちますよ。

評価の書き方

皆さん、結果に対する評価を書いていますよね。それ自体は間違っていません。ただ、評価の視点を間違えている人は多くいます。何のためにケアして得られた結果でしょうか。それは、患者目標を達成するためですよね。ですから、患者目標にもなった問題点がどうなったかという視点で評価してく必要があります。

評価は【結果が良かった場合】と【結果が悪かった場合】で書き方が変わります。
いずれにしても、重要なのは因果関係です。“良くなった原因”、“悪くなった原因”を考えて書けば良いです。

【結果が良かった場合】

「良い結果が得られたのは、●●というケアをしたことで△△という効果が得られたからだと考える。」というような書き方にしよう。

【結果が悪かった場合】

「悪い結果だったのは、〇〇が原因だと考えられる。〇〇を取り除くような××という援助をしていく必要がある。」というような書き方をしよう。

目標の達成状況の書き方

患者目標と学生目標がありますので、この2つを分けて記載する必要があります。

目標の達成状況なので、達成状況のみを書いても間違いではありませんが、目標が達成できなかった場合は、評価の書き方と同じように、目標が達成できなかった原因と、その原因を解消する看護の方向性を書いた方が印象は良いですね。教員の視点だと、そういう風に考えているのねとスッと入ってきますよ。

感想の書き方

感想ですから自由に書いてください!笑

でも、以下のことが入っていると印象は良くなります。

  • 実習で印象に残ったこと
  • 実習での学び
  • 患者さんへの思い
  • 明日の実習への意気込み
  • 教員と指導者へのお褒めの言葉

最後の教員と指導者を褒めるというのは冗談ですが、教員も指導者も人間ですからね。
悪い気はしませんよ。

おわりに

私の看護学生への指導経験を振り返って、「日々の記録」の書き方を余すところなくお伝えさせて頂きました。

記録が終わらなくて睡眠時間を削ったり、頑張って実習してるのに指摘ばっかりされてモチベーションが落ちている看護学生は多いと思います。この記事で、皆さんの看護実習が少しでも楽しくなると嬉しいです。

チアうさ先生

最後に看護学生へおすすめのグッズを3つ紹介するよ🫠

看護学生

ありがとう✨😸✨

チアうさ先生

まずは、実習で必須の参考書📚
「疾患別看護過程」は疾患が網羅されていて、病態から看護まで書かれているよ🤗
想定されるアセスメントや看護問題まで載ってるのは先生には内緒ね🤭

【疾患別看護過程】というタイトルの本は複数あるから間違えないように注意してね⚠️ ↓↓↓の参考書です‼️

病期・病態・重症度からみた 疾患別看護過程 第4版: 病態関連図

看護学生

先生に内緒ですね😹
他のも教えてください🎵

チアうさ先生

次は、国家試験対策の参考書📚
看護師国家試験対策は「クエスチョン・バンク(過去問)」と「レビューブック」の2冊を選択するのが合格への近道です🌈
レビューブックは重要事項がまとめられている本ですが、これがクエスチョン・バンクと連動しているところがポイント🌟

『問題を解く』⇔『重要事項の確認』をスムーズに行えるので効率よく勉強が行えるよ🤗
色々な国試対策の参考書に手を出して無駄な時間を過ごす学生をたくさん見てきたので注意して⚠️
クエスチョン・バンクについては、最終学年で最新のものを購入するようにしてください‼️(最新の問題の傾向や統計データを把握する必要があるので)
レビューブックは実習や日々の学習に使えるので低学年から購入することをオススメします🫠

看護師・看護学生のためのレビューブック2023-24

クエスチョン・バンク看護師国家試験問題解説2023ー24

看護学生

2冊の参考書で国試対策すれば良いって聞くと安心する🎵
まずは、レビューブックね‼️😸

チアうさ先生

最後は美容のお話よ🥰
私、実は毛深い方なのよ..😭

看護学生

いきなりデリケートな話..🙀

チアうさ先生

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ムダ毛処理も大変だし、医療脱毛やエステも高額💴で無理だし😔
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\チアうさの学生時代からの愛用品/

看護学生

先生にもデリケートな悩みがあったんですね😳
ちょうど私も彼氏ができたのでお肌のお手入れ気になってました🥰

チアうさ先生

ちょっとアナタ💦
それは幸せな悩みっていうのよ..😑
私のとはちょっと違う🥲

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